長年、高等学校の進路指導主事として高校生の受験、進路指導、キャリア教育に携わってきました。高校生から大学生、社会人と成長する若者を見続ける中で、「人間の能力」に関心を持ち続け、北海道大学に移ってからも、いわゆる「コンピテンシー」を軸にした、学力以外の多面的・総合的評価の研究と実務に関ってきました。前進と後退、紆余曲折を繰り返す高大接続や教育改革・入試改革の流れの中で、理念先行ではなく現場を踏まえた議論や取り組みが必要と痛感しています。高校と大学の両方の経験をもとにしながら、とりわけ現場に即した話題をとおして課題の共有と解決をめざしたいと考えます。
1980 北海道大学工学部卒業
(民間企業、旧通産省工業技術院北海道工業開発試験場勤務を経て)
1982 北海道の高等学校において理科教員として勤務
札幌東高校、岩見沢東高校にて進路指導主事(計12年)として勤務。平行して北海道大学学外研究員として、入学者選抜に関わる研究会活動を行う。
2018 北海道大学高等教育推進機構高等教育研究部勤務
アドミッションオフィサーとして、高大接続や多面的・総合的評価に関わる実務的調査研究を行い、総合型選抜の評価や学内調整、Webによる評価システムの入学者選抜制度設計に携わる。
2021 北海道大学任期満了
現在進められている高大接続改革において、とりわけ入試改革について、その捉え方や主体性評価等のあり方、今後の展望などについて、高校と大学双方の現場の視点からお話したいと思います。特に公的な発表や教育メディアの情報からはわかりにくい点についても、みなさまと共有しながら考えてみたいと思います。
教育現場での意志決定において、とかく教員の勘や経験則での成功体験が重視される中、いかにデータを分析しその結果と長年の経験を融合させていくか、その重要性について。またそういった際に教育産業が販売している資質・能力に関するアセスメントツールの有効な活用方法についてもお話しいたします。
大学受験の最大の目的は「合格」ですが、「合格後」のことを考えてみたいと思います。大学に入学した学生がみんな輝いているわけではありません。大学という場をいかに生かすかは、入学する前の動機付けや心構えも重要です。